中国の領収書には2種類ある

仕事で中国を訪れると、お店の人やタクシー運転手に領収書を依頼しなければならないことがあるでしょう。中国語で領収書は「発票(ファーピャオ)」、「領収書をください」は「請給我発票(チンゲイウォーファーピャオ)」ですが、ときどき「ショウジューでもいい?」などと聞かれることがあります。ショウジューは收据と書き、こちらも個人的には日本での経費請求に使えているので問題ありません。だけど発票と收据、違いはいったい何なのでしょうか。

くじ付きもある中国の領収書。領収書からさまざまなお国事情が見えてくる くじ付きもある中国の領収書。領収書からさまざまなお国事情が見えてくる

発票と收据の違いとは

日本では領収書はどの様式のものでも使え、文具店などで購入できますが、中国では事情が異なります。正式な領収書が「発票」で、これは税務署が販売と管理をしているのです。課税額はこの発票の総額(売り上げ)で決まりますので、偽造ができないようにインターネット上で情報を管理するなどの工夫がこらされていようです。その一方、「收据」は非正規の領収証、つまり受取証のようなもの。どちらも金額がすでに印刷されているものと、書き込み式のものがあり、すでに印刷されているものの場合、たとえば43元分の食事をしたときにも、面倒だからか50元分の領収書を渡されることが多々あります。正しい額を経費請求したい私としてはちょっと困ってしまうのですが、きっと多い分には文句を言う中国人はいないのでしょう。

飲食店等のくじ付き領収書

ちなみに飲食店などのサービス業で領収書(発票)をもらう場合、くじが付いているものがあります。銀色の部分をコインでこすると、ときに5元や10元、多くて50元などが当たり、お店ですぐに交換できます。さらに高額の当選もあるようですが、きっと非常に稀でしょう。なぜくじ付きなのかというと、先にも述べたように、課税額は領収書をもとに計算されるため、店側としてはできれば発行したくないものなのです。しかし税務署としては、利用客になるべく領収書を受け取ってもらいたい。そのためにくじをつけたそうなのです。

領収書を発行しなければ課税されない?

聞くところによると、飲食店では税金逃れのため、発票を発行しないという条件で、利用客の飲食代を割り引いたり、飲み物のサービスをしてくれたりすることがあるようです。さらに考えてみると、「收据」のみ、もしくは何も発行しないような小さな飲食店は、きちんと税金を払っているのかどうかが気になってしまいます。納税者意識がまだまだ低いとされる中国、課税システムにも多くの問題があるということが、1枚の領収書からも垣間見えてきます。