海外に県があるって?

海外県というものがあるのを知っていますか?フランスがヨーロッパ以外の場所に所有する国土を、海外領土と呼びます。その一部に1946年に設置された県が海外県。カリブ海のマルティニーク島とグアドループ、南米の仏領ギアナ、アフリカ沖のレユニオン島とコモロ諸島のマヨットの5県が存在します。これらの場所にはフランス国内の県と同様の地位が与えられているとのこと。世界のあちこちにちらばった、フランスとは気候も住む人々も異なる場所。一体どんなところなのか、今回は私が訪れたことのある仏領ギアナとマルティニーク島についてご紹介します。

フランスの海外県ってどんなところ?マルティニーク島と仏領ギアナ フランスの海外県ってどんなところ?マルティニーク島と仏領ギアナ

南米のはじにある仏領ギアナ

南米大陸の北東部にある、北海道とほぼ同じサイズのエリアが仏領ギアナ。人口は24万人ほどで、県都はカイエンヌ。フランス語が話され、通貨はユーロで、物価は南米でも飛びぬけて高いです。さすがに道路はきれいですが、サービスは充実しておらず、空港へもタクシー以外の公共交通手段がないという不便さ。住民はムラートと呼ばれるアフリカ系黒人とヨーロッパ系白人の混血が最も多く、そのほかにもヨーロッパ系の白人、先住民、中国人、ラオスから移住してきたモン族、インド人やベトナム人、レバノン人など多様な顔ぶれです。仏領ギアナの見どころとして、ロケット発射基地のギアナ宇宙センターなどがありますが、物価の高さに驚いて実はほとんど何も見ずに出国してしまいました。

カリブ海に浮かぶマルティニーク

この仏領ギアナからフランス・パリへの飛行機が、こちらも海外県であるマルティニーク島に立ち寄りました。別の海外県であるグアドループに寄る便もあるようです。マルティニーク島は人口約40万人、県都はフォール・ド・フランスです。ここでもフランス語と通貨ユーロが使われており、物価がフランス並みに高いことも仏領ギアナと同様です。住民はかつて奴隷として連れてこられたアフリカ系黒人の子孫がほとんどで、ほかに白人との混血であるムラートや、中国人、インド人などがいます。かつて島の住民を虐殺したため、純粋な先住民は絶滅し存在していないのが、仏領ギアナと異なるところです。

独立を選ばなかったために

マルティニーク島で、現地に住むムラートの女性の家に泊めてもらいました。父は非常に色の黒い黒人で、母はとても白い白人、そして小麦色の肌の彼女というとりあわせはどことなく不思議な感じです。家は広々として現代的で、彼女の家にはペットのネコがおり、部屋にはパソコンまでありました。翌日は車を持っている彼女の友人がドライブに連れて行ってくれました。真っ青なカリブ海と、豊かな熱帯の自然が美しい島で、リゾート開発も盛んに行われています。女性が言うには、マルティニークの隣の島国セントルシアは、イギリスから独立したために貧しくなってしまったとのこと。独立しなかったゆえに今の生活水準を保っていられるマルティニークを見て、いろいろと考えさせられたフランスの海外県でした。