ジャイナ教ってどんな宗教?

ジャイナ教という宗教をご存知でしょうか?インド以外の場所にはほとんど伝わらなかったため、多くの人にとっては世界史の授業でその名前を聞いた覚えがあるぐらいかもしれません。ジャイナ教の成立は非常に古く仏教とほぼ同時期。開祖とされるヴァルダマーナは釈迦と同じ紀元前5世紀頃に生きた人です。彼の前にも実に23人にも及ぶティールタンカラと呼ばれる聖人がいたとされ、ジャイナ教寺院はこのティールタンカラの像であふれています。

仏教とほぼ同時期に成立した宗教 インドのジャイナ教 仏教とほぼ同時期に成立した宗教 インドのジャイナ教

徹底した非殺生主義

ジャイナ教は徹底した苦行・禁欲主義で有名で、その一番の特色は殺生を禁じたこと。そのため、道を歩くときには虫を吸い込まないように口をマスクなどで覆います。宗教儀礼においては、灯明をともしますが、火の中に虫が飛び込まないよう必ずケースの中に入れます。井戸から飲み水を汲むときも、虫を飲んでしまわないように、水は必ず布などのフィルターで濾すという徹底ぶり。また、例えば獰猛な動物に襲われたときでさえ、自らの身を守るためであっても動物を傷つけることは許されないという厳格さを持っています。正に「自らの命」を賭して「自らの信仰」を守るのです。

食生活にも影響を及ぼす非殺生主義

食生活に関しても彼らの姿勢ははっきりとしています。動物の肉を摂らないのはもちろんのこと、土を掘り殺生を犯す危険性のある根菜・球根類、採取にあたって殺生を伴う危険性の高い蜂蜜なども厳格なジャイナ教徒は口にしません。そのため多様な食生活をもつ人が多いインドでも、一番厳格な食生活を保持しているといえます。インドではジャイナ教徒でも食べられる食事を提供できるレストランなどでは、「ジャイナ教徒向けの食事あります」と予め表示しています。

ジャイナ教徒には商人が多い

その非殺生に対する姿勢はジャイナ教徒の職業にも当然のことながら影響を及ぼしています。直接的に生き物を殺す屠畜業はもちろんのこと、生き物を殺す可能性のあることすら行わないのです。そのため、ほとんどのジャイナ教徒は一部を除いてほとんどが商業に就いています。ジャイナ教徒は、信用がある上に商才にもたけているので、裕福な人が多いと言われています。財をなした人々は多額のお金を寺院に寄進するので、ジャイナ教寺院は大理石などをふんだんに使ったお金のかかったものであることが多いです。ジャイナ教徒はインド国内では人口の1パーセントにも満たない少数派ですが、その財力から大きな影響力を持っているといわれています。