初めて暮らしたマドリードの思い出の味『マオウ』

私がスペインでの生活を始めたのは、首都マドリードでした。最初に覚えたスペイン語は、挨拶のほかに、「ウナ・セルベッサ・ポル・ファボール(ビールを一杯ください)」です。これさえ言えれば、どこのバルに入っても安心ですからね。マドリードでは『マオウMahou』というビールがよく飲まれています。ピルスナー系でコクも苦味もあって、気温が40℃近くなるマドリードの夏には欠かせない味でした。ところが、バルセロナに引っ越してくると、マオウが飲めるバルが全くないのです。

スペインには全国展開するビールがない? 〜地元のビールを愛する人たち〜 スペインには全国展開するビールがない? 〜地元のビールを愛する人たち〜

バルセロナにはマオウがない!『エストレージャ・ダム』と『モリッツ』

バルセロナで飲まれているビールと言えば赤いラベルに星のマークの『エストレージャ・ダムEstrella Damm』で、味はキリンのラガーに似ているのではないかと個人的に思います。そしてここ数年、急激に台頭しているのがバルセロナのビール『モリッツMoritz』。これは、ピルスナー系なのですが、甘みと酸味が強い、今までに飲んだことがないような独特の味です。正直なところ、バルに入って生ビールサーバーがモリッツだと、ちょっとがっかりします(笑)。でも、黄色い缶に‘BARCELONA’と入っているし、日本のビール好きな人へのお土産にはいいかもしれませんね。

グラナダのビールはその名も『アルハンブラ』

グラナダにも地ビールがあります。その名は『アルハンブラAlhambra』。スペイン随一の見どころ、アルハンブラ宮殿の名前を冠しています。宮殿の『ライオンの間』にあるライオンの噴水の像が描かれたラベルは高級感が漂い、すっきりした飲み口の、苦味はあるけどとてもライトなビールです。バルセロナやマドリードではほとんど見かけることがありません。グラナダを訪れたら、「アルハンブラの思い出」に一杯、無料でついてくるタパスと一緒にぐいっとあおりたいものです。

サルガデロスの陶製サーバーを見たら『エストレージャ・ガリシア』

私が一番好きなスペインのビールは、北のガリシア地方で飲まれる『エストレージャ・ガリシアEstrella Galicia』です。ガリシアの陶器、白地に青が美しいサルガデロスのサーバーが目印で、バルセロナでも、外からこのサーバーが見えたらとりあえず一杯飲みに入ります。酸味が少なくほどよい苦味のしっかりした味わいです。セビリアの『クルスカンポCruzcampo』やマオウ社に買収された『サン・ミゲルSan Miguel』など、全国展開していてどこでも飲めるビールもありますが、その土地の空気に合った、その土地で愛されているビールを是非味わってみてください。