南太平洋のミニ国家、ツバル

南太平洋のポリネシアには多くの島々と小さな国々がありますが、今回紹介するのはなかでも「世界で4番目」に小さいというミニ国家、ツバルです。4つの島と5つの環礁からなるツバルの人口は約1万人。場所はフィジーの北約1000キロ。ポリネシア人が住んでいたこの島々にヨーロッパ人がやって来たのは16世紀のこと。19世紀にはイギリスの保護領になりましたが、1978年に独立。その際にこの保護領は、ミクロネシア系住民の多いキリバスと分かれました。しかし独立したといっても小さなミニ国家。これといった資源も産業もなく、いまも“世界最貧国”のひとつなのです。

地球温暖化で島がなくなる? 南太平洋のミニ国家“ツバル”が抱える問題とは?(前編) 地球温暖化で島がなくなる? 南太平洋のミニ国家“ツバル”が抱える問題とは?(前編)

何もない国、それがツバル

ツバルはサンゴの環礁にできた島々なので、土地はとても貧弱です。そのため漁業以外には第一次産業となるものがありません。他国への出稼ぎによる仕送りや、他国の援助なしには成り立ちません。周辺の海は美しいのですが、何しろインフラも整っていないので観光客もわずか。そもそも観光客をたくさん呼べるほどの、土地もないし、人的資源もないのです。そのため、政府は財源を確保するためにさまざまなアイデアを考えてきました。

国家収入を増やすためのユニークなアイデア

まずは切手とコインの発行です。世界の切手収集家たちが欲しそうな、南洋らしい色鮮やかな柄の切手を多く発行しています。その収入は国家財政の1/4に当たるとか。また2000年には、ドメインの「.tv」の売却をします。この使用権の値段は10年間で5000万ドルといいます。「.tv」が付くなら世界中のテレビ局が買いそうですよね。ツバルはこのお金で、国連に加入したといいます。国連に加入するのにお金が必要とは知りませんでした。

地球温暖化のせいで国がなくなる?

さて、このツバル、近年は地球温暖化問題で知った方もいらっしゃるでしょう。何しろツバルは、国土の最高地点が海抜5メートル、平均すると2メートルほどの海抜しかありません。もし海水面が上昇すると、国土のほとんどが水没してしまいます。そのためツバルは、2002年に温暖化の原因とされているCO2最大輩出国のアメリカが京都議定書を批准しないことを国際法廷に訴えると表明しました(実際にはしていない)。これが、かなりのニュースになったのです。(後編につづく)