閉ざされていた町が解放され、ついにはサッカーW杯の会場に

ロシアの西部、バルト海に面したカリーニングラードは、独特な歴史を持っています。かつてはドイツ人が作った町で、ケーニヒスベルグ(ドイツ語で「王の山」の意味)と呼ばれていたのですが、第二次世界大戦でソビエト連邦領となり、カリーニングラードとロシア語読みになったのです。ソビエト時代は、不凍港として重要視され、海軍基地や造船業として発達、しかし、バルト三国がソビエト連邦から脱退独立したことで、大きな波にさらされます。隣国リトアニアが独立してしまったために、地続きだったロシアと直接に行き来できず飛地となってしまったのです。物流は不活発となり、町は衰退していきます。十年前までは、犯罪の温床になるほど荒廃しました。しかしリトアニアとの間で、ビザが緩和されると、物流が復活、プーチン大統領の大号令で、資本を投入、急激に町が発展していったのです。

どこか寂しい感じの風景は、ロシア風? どこか寂しい感じの風景は、ロシア風?

W杯で使われる予定の新サッカー場の名前は?

そんな折に、ロシアでのサッカーW杯開催が決定し、カリーニングラードでも行われることになりました。その場所が、中心部を流れるプレゴリャ川の中州です。開催されるサッカー場は「Alena Baltica」。バルト海を目の前にしたこの町らしい名前です。しかし関係者の間では、2018年までに建設できるか危ぶまれています。開催まで、あと2年、本当に完成するのか、特に外国人のマスコミ関係者たちをヤキモキさせているようです。

ある種、かなり風変わりなところかも

そんなカリーニングラード、元はドイツ人の町だったので、バルト三国と同様、ドイツ的な町並みが残されています。ただいかんせん、保存状態が悪いようです。そんなドイツ的な町の間にソビエト風の巨大な建物が建ち並ぶのは、この町の現代史さながらでしょう。さらに今はW杯へ向けて、建築ラッシュ、モダンなビルや新しい店ができ、日本料理屋だってあります。それでもここは、やはりロシアです。

自由に行くことはできません。

自由な入国ができません。ロシア大使館でビザを取得、その折に、ホテルバウチャーも必要となるために、インターネットのホテルサイトからの予約だと面倒な上に、費用もかかってしまい、結局ロシア系の旅行会社にすべてお任せしても、費用は大差ありません。もし日本が次のW杯に出場でき、この町で試合をするとなったら、日本でも一気に盛り上がるのでしょうが、そうでなくても、面白いところです。なにしろ冷戦時代までは、完全に閉ざされていたのですからね。ほかにはそう類を見ない町です。