ピカソが絶賛した旧石器時代の壁画

みなさん、アルタミラの洞窟といえば誰でも耳にした覚えがあるのではないでしょうか。世界史の時間の最初の頃、旧石器時代について習ったときに、フランスのラスコー洞窟の壁画と合わせて、アルタミラ洞窟の牛の壁画の写真が教科書に載っていましたよね。スペイン北部、カンタブリア州の田舎サンティリャーナ・デル・マルにあるこの洞窟には、1万8000〜1万4000年前に描かれ、あのピカソに「我々のうち、誰もこのようには描けない」と言わしめた、人類最初の芸術作品とされる天井壁画があります。「旧石器時代芸術のシスティーナ礼拝堂」とまで称されている壁画、是非実物を見てみたいですよね。

ピカソも絶賛した壁画が残る、アルタミラ洞窟と、寸分たがわず作られたレプリカ ピカソも絶賛した壁画が残る、アルタミラ洞窟と、寸分たがわず作られたレプリカ

天井壁画の保護のためのレプリカ

1万3000年前に落石によって入り口がふさがれ、壁画は非常に状態の良いまま保存されていました。しかし1879年に発見され、以後調査が進められるとともに一般公開されたことによって、大勢の観光客がもたらす二酸化炭素や照明などの影響で壁画の損傷が進んだため、残念ながら現在は保存のために非公開となっています。日本の高松塚古墳の壁画とよく似た話ですね。そしてその代わりに、同じ敷地内に洞窟のレプリカを作り、2001年にアルタミラ博物館としてオープンしました。その後2010年にオリジナルの洞窟の再公開が決定されたと報道されましたが、調査によってかなり限定された公開になるだろうとのことで、いまだ公開には至っていません。

世界に3ヶ所あるレプリカ、なんとそのひとつは・・・

アルタミラ博物館の天井壁画のレプリカは、洞窟の岩肌を再現し旧石器時代の技法を使って描かれました。赤や黒の顔料で描かれた牛や馬、トナカイなど動物達の躍動感溢れる姿はレプリカとは思えないほどで一見の価値ありです。アルタミラを訪れる時間のない人には、マドリッドの国立考古学博物館にも天井壁画の一部の完璧なレプリカがあります。こちらの方が空いているので、静かにゆっくり見たい人にはおすすめかも。そして3ヶ所目はなんと日本に! 三重県志摩市の複合リゾート施設「志摩スペイン村」のテーマパーク「パルケエスパーニャ」にもレプリカがあるんです。いずれにしても、本物の洞窟の中の空気に触れながら、いつか本物の天井壁画を見てみたいものですね。