さまざまな種類がある世界のクルーズ

日本でもすっかり定着した感があるクルーズの旅。先進国の欧米には、大型客船で各地を回るもの以外にも様々なクルーズがありますが、最近コアなクルーズファンに人気なのが、地球の果てまで行く極地クルーズ。北極と南極のクルーズです。優雅な船旅とは一線を隔した、本当の手つかずの大自然に触れるこの「冒険クルーズ」では、探検隊の気分を味わうことができます。今回はカナダの東海岸、グリーンランド沖を航行する、北極圏のクルーズを紹介しましょう。

探検隊の気分が味わえる北極の海を行く「冒険クルーズ」。大型豪華客船のクルーズとは一味違う海の旅 探検隊の気分が味わえる北極の海を行く「冒険クルーズ」。大型豪華客船のクルーズとは一味違う海の旅

クルーズではなく"Expediton(冒険)"と呼ぶ船旅

10日間の船旅の出発地は、北緯75度の北極海に浮かぶデボン島のレゾリュート。ここからカナダのラブラドル半島にあるクジュアックという町を目指して南下します。船は総トン数4250トン、定員110名と、大型クルーズ船に比べると10分の1以下の大きさですが、砕氷機能を備えているために、6〜9月は北極の海を、12〜3月は南極周辺で活躍しているそうです。途中様々な島に寄りますが、多くが港のないところなので、島に上陸するときは、船からゾディアック(強化ゴムボート)に乗り換えて陸地に接近します。まさに「冒険」をしている気分になるところです。

人間の痕跡がまったくない極地の荒涼とした風景に感動

ゾディアックで島に上陸する際には、必ずライフルを持った見張りが同行し、北極の王者であるシロクマを常に監視しています。途中見られる動物はアザラシやクジラ、海鳥などで、種類はさほど多くありません。この旅のハイライトはなっといっても圧倒的なスケールの大自然。どこ見ても人間の痕跡がまったくない土地には、木も草も生えておらず、わずかに地表にコケが張り付いているだけの荒涼とした風景ですが、まさに地球の果てに来たことを実感できます。私は8月後半のツアーに参加したので、運よく船の上からオーロラを見ることもできました。

冒険クルーズでも、船上生活は十分満足がいくもの

豪華客船のように、船内に劇場があったり、カジノがあったりすことはありませんが、そこはやはりクルーズ。食事は毎日、毎食違ったものが出るし、ソファーの置かれたラウンジで、グラス片手に他の乗客とおしゃべりをしたり、ミニシアターでは映画が上映されたりと、小さい船でもクルーズらしい生活を送ることができました。キャビンも小さいながら、一応シャワー付きだし、特に不満に思うことはありません。何よりゾディアックに乗って島に向かう時のワクワク感は、他のクルーズでは決して味わえないものでしょう。