香港随一?無料なのに大充実の博物館

香港には、せまい土地の中に多くの博物館があるため、博物館めぐりも楽しいものです。入場料はほとんどが10から25香港ドルほどと安いのですが、無料でしかも都会の穴場的な博物館として私がおすすめしたいのは、「香港大学美術博物館」です。ここはその名のとおり大学構内に建つ博物館なのです。香港島西北部に位置する香港大学は、歴史ある超難関校として香港で最も有名な大学です。その一角に、大学の所蔵品である美術品が収められた、この美術博物館があります。

人の多い香港で穴場の博物館。香港大学美術博物館へどうぞ 人の多い香港で穴場の博物館。香港大学美術博物館へどうぞ

博物館のレトロなたたずまいにも感激

私は上環(ションワン)からタクシーで向かいましたが、バスも金鐘(アドミラルティ)や中環(セントラル)など各所から出ています。大学は“ミッドレベル”と呼ばれる高級住宅街にあるため、閑静というほどではないにせよ、中心部よりはだいぶ落ち着いた雰囲気です。博物館は、その建物自体が趣たっぷりで、内部に入って所蔵品を見る前からうれしくなってしまいます。それもそのはず、博物館の主たる建築は1953年に造られたのです。いまどきの美術館や博物館は、ガラスや鉄骨をふんだんに使って洒脱なムードを生み出していますが、こういう本物の古い建物が持つ重厚さだけは、新しい建築には決して真似ができるものではありません。

美術品と建築探訪を独り占め?

コレクションは、新石器時代から清の時代までの青銅器や磁器、絵画などの第一級の美術工芸品です。仏教美術の展示がすばらしいのは当然として、私はとくにベッドやタンスといった中国家具に興味を惹かれました。仏像などはあちこちで目にするチャンスもありますが、こういった家具はそれまでほとんど関心を持ったことがなかったので、人がいないのをいいことに長時間鑑賞しました。そう、ここは寒いくらいに冷房が効いて監視の人もきちんと配備されているのに、見学者がほとんどいなくて館内がガラガラなのです。中国美術に興味のある人は、いくらでも長居して鑑賞できますよ。

ティーサロンにもぜひ立ち寄って!

そしてさらにおすすめなのは、ひととおり見学を終えた後にお茶を飲める「博寮茶座(ポッリウチャーチョー)」というティーサロンです。ここは20香港ドルという安さで、白茶・青茶・黒茶の3種類の中から好きな中国茶をポットサービスで飲むことができます。物静かなマスターがどこからともなく現れ、やさしく丁寧に茶葉の解説やお茶の淹れ方を教えてくれるのです。ここはミュージアムショップも兼ねていて、土産物と呼ぶにはクオリティーの高すぎるすてきな茶器などが売られています。美術品のようなお土産に囲まれて、ほの暗くひとけのないサロンでお茶を楽しんでいると、「ここもあのせわしない香港なのか」ということがウソのように遠く感じられます。この博物館とティーサロンは、是非ゆったりと時間を取って訪れてください。エキサイティングな香港とは別の一面を味わうことができるでしょう。