台湾屈指の観光スポット

台湾の東北部、瑞芳風景区に位置する九ふんは、かつて金鉱として栄えた鉱山、金瓜石に隣り合い、日本統治時代の面影を残す古びた街並と、海岸線まで迫る山並みが美しい人気のスポットです。台北市街地から路線バスや鉄道でのアクセスも大変便利で、日帰り旅行でぜひ訪れたい台湾屈指の観光スポットです。

映画『非情城市』の舞台、九ふんで夜景とお茶でまったり過ごす 映画『非情城市』の舞台、九ふんで夜景とお茶でまったり過ごす

ゴールドラッシュで栄えた街

かつて道が通っていなかったこの地には、わずか9世帯の人々しか住んでいなかったとか。そのため水路を使って生活物資を運んでいたことから「9世帯分」の意味で、九ふんという地名になったと伝えられています。1890年に、金瓜石で金鉱が掘り当てられてからは、一帯がゴールドラッシュに湧き、わずか9世帯の村から別名「小上海」「小香港」といわれるほど繁栄していきました。

映画の舞台として再度注目される

その後金鉱が廃れ、再度九ふんが注目されたのは、台湾映画『非情城市』の舞台になってからのことでした。『非情城市』は、台湾を代表する映画監督のひとり侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の作品で、1989年ヴェネツィア国際映画祭において最高賞である金獅子賞を受賞。物語は日本統治が終了した後の数年間を舞台に、ある家族の悲劇が描かれています。劇中では、歴史に翻弄される家族の悲しいストーリーを、海に面し三面を山に囲まれた美しい九ふんの自然がさらに印象的なものにしています。

茶芸館で至福の時を

現在では台湾北部の一大観光地となり、街の中心地はお土産店が軒を連ねています。休日ともなると観光客でごった返しているので、可能ならば平日に訪ねるのがおすすめです。「春雲、夏海、秋芒(すすき)、冬霧」と季節毎に見どころがあり、雨が多く湿度の高い土地柄。晴天よりも雨天の方がより景観が美しいと言われています。街に点々と吊るされた提灯が紅く灯り始めると、しっとりとした九ふん本来の魅力が顔を出す時間帯です。幻想的な雰囲気の中、迷路のような細い路地を辿っていくと、旅のハイライトにふさわしい茶芸館に行き着きます。ゆったりとお茶を楽しみながら、夜の海を見下ろせる眺めのよい茶芸館では、往時の繁栄に思いを馳せながら至福の時間を過ごせるでしょう。