村までのアクセスはなかなか面倒

モンサントは「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」といわれていますが、巨石の中に家々が建てられているこの村の景観は、むしろポルトガルの中でもかなり異彩を放っています。さて、この村を訪れるのはなかなか厄介です。レンタカーで旅行できる場合はいいですが、公共交通機関を使ってとなると、非常にアクセスの悪いバスしか手段がありません。拠点となるカストロ・ブランコとのバスは往復とも一日に2便か曜日によってはそれ以下で、どうしてもモンサントで一泊以上する必要があります。でも、それでいいんです。この村には一泊するだけの価値があるのですから。

絶景!!ポルトガルで最もポルトガルらしい村「モンサント」は巨石の中にあった(後編) 絶景!!ポルトガルで最もポルトガルらしい村「モンサント」は巨石の中にあった(後編)

筆舌に尽くしがたい美しい夕日

私がリスボンを午前中に発ち、モンサントに到着したのは夕方でした。泊まったのは、食堂を兼ねた2部屋だけの小さな宿。部屋に通されると、なんと奥にある浴室の壁が巨石の一部でした。そして食堂のテラスは巨石の上に設けられています(笑)。これはテンションが上がりますねえ。このテラスからの眺めは抜群で、ちょうど西側に面しているので、ワインを飲みながら素晴らしいサンセットを見ることができました。目の前に果てしなく広がる平原に沈んでいくオレンジ色の夕日と、オレンジ色に染められていく村の家々と巨石たち。それは旅でみた夕日のトップ10に入る美しい夕日でした。

飽きない村歩きと城址からの絶景

翌日は、村の中を散策します。巨石の間に建てられた家々を見ながらの迷路のような路地歩きは実に愉快です。家の前には石造りのベンチが置かれ、村人たちはのんびりとベンチに腰を下ろしてお喋りに興じています。車が入って来られないので犬も猫も道の真ん中でお昼寝中。一方で、のんびりと時が流れる村のところどころにある空き家や廃墟が、この村の過疎の現実を見せつけます。背後の城址に続く道を登り、城壁からオレンジの屋根がひしめくモンサントの村と辺り一帯を見渡せば、文句なしの絶景が望めます。村の門から降りていくと、皮の一部がはがされてちょっと痛々しい、コルクの木の畑が広がっています。

もうひとつの歴史的な村イダーニャ・ア・ヴェリャ

時間が許すなら、モンサントから車で20分ほどのイダーニャ・ア・ヴェリャ(Idanha-a-Velha)という村にも立ち寄るといいでしょう。ここもモンサント同様「ポルトガルの歴史的な村々」に指定されています。この村はローマ時代にまで遡る歴史のある村で、ローマの橋や城壁などローマ時代の遺構が残っており、今でも発掘が続けられています。15世紀に飢饉によって打ち捨てられたことにより、中世のままの佇まいが今日まで残されることになりました。村の周囲は緑がいっぱいで、春には一面に花が咲き、また、遠くにモンサントを望むことができます。