バードウォッチャーの聖地

人口5万人弱のフェロー諸島には、島に定住しているものと渡り鳥を合わせて350万羽もの鳥が生息しています。ここはバードウォッチャーにとって憧れの島なのです。切り立った絶壁の岩肌は無数の海鳥の巣で埋め尽くされ、鳥たちのさえずる声は壁に響いて轟音のように聞こえます。多くの貴重な鳥たちのなかでも人気なのが、愛くるしい容姿のパフィン。縦に平べったいカラフルなくちばしと悲しそうに見える目がなんとも愛嬌があるのですが、私もジェグヴという港の村の岩壁でパフィンを見ることができました。全然スマートじゃない不器用な飛び方がまた、たまらなくかわいかったです。

フィヨルドの島をレンタカーでドライブ!【デンマーク・フェロー諸島 その2】 フィヨルドの島をレンタカーでドライブ!【デンマーク・フェロー諸島 その2】

バイキングの船に乗ってバードウォッチング

ひたすらドライブだけではつまらないので、地元のツアーにも参加してみましょうか。サンドイ島のサンデュール港から出ているバードウォッチング・ツアーは、流木を利用して伝統的な手法で作られたバイキング船に乗って、スクーヴォイという小さな島を一周します。高さ400メートルの断崖は鳥だらけ。その声はさえずるというかわいいものではありません。ガイドの声も聞こえないほどの大轟音です。昔はこの断崖にロープでぶら下がって、鳥の巣から卵を採る仕事があったそうです。今では採ってもいい鳥が制限され、巣の中からひとつだけしか採れないようになりました。

ドライブの楽しみは次々に現れる絶景の連続

フィヨルドの島、フェロー諸島のドライブでは、湾をひとつ回り込むたびに、目の前に広がる風景が変わります。丘陵の裾にへばりつくような海沿いの小さな村をいくつも過ぎ、崖から落ちる豪快な滝の前を横切り、突然視界に現れる、海に浮かぶ奇岩の絶景に目を奪われます。周囲を断崖に囲まれた小さな港の漁師たちの暮らしぶりを見ていると、ここはまさに辺境の地なんだと実感します。海沿いを離れてフィヨルドの丘陵の上のビューポイントまで上ると、いままで走っていた海沿いの村が眼下に小さく、フィヨルドの先端が波のように連続するのが遠くまで見渡せ、ここでまた、フィヨルドのスケールの大きさに圧倒されるのです。

物価の高さも消し飛ぶ魅力がいっぱい!

ほとんどの物資をデンマークから運んでくるので、フェロー諸島の物価が高いのは仕方ありません。私の場合、フェロー諸島の前に訪れた物価が高いと評判の国アイスランドよりも、すべてが高く感じられました。キッチンつきの宿を選び、滞在中は宿の近くのスーパーで食材を買って自炊する毎日。島と島を結ぶ海底トンネルは有料なので、何度もトンネルを通らずに上手く島を巡れるようにルートを考えました。でも、この島にはプライスレスの魅力が満ちています。ほとんどの道は田舎の一本道のようなもので、住民の運転もマナーがよく、ストレスのないドライブが楽しめます。この島を走ったら、きっとあなたもフィヨルドの魅力にはまりますよ!