なぜか中国人にも日本人にも人気がない河北省

中国の首都、北京を取り囲むような河北省は、損なところです。北京や天津に近すぎて、河北省に旅行で行ったという人にほとんど会ったことがありません。河北省東北部の承徳は清朝の皇帝に避暑地でもあり、世界文化遺産にもなりました。その承徳に行ったという人ですら少ないのです。河北省って中国人にも外国人にも人気がないみたいです。地味なだけに、中国が発展とともに失ってきた素朴な世界が残っているかもしれないのに。河北省の省都は石家庄です。石家庄市からバスで約1時間ほどの正定県に行ってきました。

河北省の石家庄の古城、正定県は塔の町 河北省の石家庄の古城、正定県は塔の町

石家庄市の正定古城に行ってきました!

正定県は1600年以上の歴史を持つ古城です。古い街並みが今も残っている小さな町には、珍しい形の塔が集まっていることで知られています。その中で最も有名なのは、9世紀後半に建てられた天寧寺の凌霄塔です。高さ41メートル、八角九層の木造の塔は中に入ることはできませんが、屋根の裏側に見える柱やひさしの造りの精巧さに驚かされます。天寧寺から東に徒歩10数分のところにあるのは開遠寺です。540年の唐代に創建された開遠寺の沙弥塔は、陝西省西安にある大雁塔にそっくりです。九層の塔の高さは約40メートルもあります。装飾が少ないつるんとした造りはまさに唐代の建築様式です。

珍しい形の塔が集まっている正定古城

開遠寺から南に徒歩10分ほど行くと、臨済寺があります。ここは日本にも伝わった臨済宗の発祥地です。臨済寺の澄霊塔は、八角九層の石塔です。蓮の花びらのようになった塔の台座が華やかな、どこか女らしい感じがする塔です。ここからさらに南に数分歩くと、八世紀末に建てられた広恵寺があります。ここには中国版ヒンズー寺院とも言える華塔があります。煉瓦造りの八角四層の主塔と四隅に建つ六角形の塔で出来ています。主塔の真ん中には菩薩、力士、獅子が浮き上がるように彫られていて、まるでヒンズー寺院のようににぎやかです。

気がきかない正定県のお寺の対応はいまひとつ

正定県では今、このめずらしい塔巡りのスタンプラリーができるように、お寺に地図が用意されています。ただ、観光客が少ない河北省らしく、お寺のほうが観光客の対応に慣れていません。このスタンプラリー用のマップもこちらから言わないともらえないのです‥。建築様式が異なる塔が集まっている古城内も、90年代の中国を思わせるような素朴な街並みです。昔の中国の風景が広がっている正定古城、北京から新幹線に乗っていけば日帰りも十分可能です。