「サンタ・エウラリア教会」のすぐそばに宿泊、夜景を独占

ボイ谷のロマネスク教会を巡る旅。教会と村をじっくり見ようと思ったら、ここで一泊したいところです。ボイ谷にはキャンプ場、ペンションから高級ホテルまで、予算と旅のスタイルに応じた宿泊施設が揃っています。私たちは、小さくて落ち着いた村という口コミから、宿泊はエリル・ラ・バル村のホテルを選びました。ホテルは世界遺産の教会のひとつ「サンタ・エウラリア教会」のすぐそばにあり、ライトアップされた美しい夜景を私たちだけで独占です。ホテルのオーナーに教えてもらった絶景ポイントから見た教会は、幻想的で美しく、時間を忘れて見入っていました。

ピレネー山脈の麓、人里離れたボイ谷にひっそりと佇む世界遺産のロマネスク教会(その3) ピレネー山脈の麓、人里離れたボイ谷にひっそりと佇む世界遺産のロマネスク教会(その3)

ボイ谷の名物料理を味わう

宿泊したエリル・ラ・バル村のホテルでは、ボイ谷の名物料理を味わうことができました。山の中にあるボイ谷ですから、肉の美味しさは格別です。サラミや生ハムは、バルセロナで売られているものよりも野趣に富んだ味がしました。地元のソーセージと野菜がたっぷり入った具沢山のスープはタイムの風味が効いています。豚の頬肉の煮込みはとろけるように柔らかく、ラム肉のグリルは臭みがなくジューシーでした。Moixarronやcarrereteという土地のキノコを使ったオムレツも名物のひとつだそうです。

芸術新潮の表紙を飾った孤高の礼拝堂「サン・キルク礼拝堂」

今回友人とボイ谷に来るまでに、何度か日帰りでこの谷に来たことがありました。有名なタウイ村やボイ村をはじめ、アクセスのいい村の教会はこれまでに訪れていたのですが、唯一、谷から遠いからと外していた教会がありました。それが、友人が見たかった「芸術新潮」の表紙になったドゥロ村の「サン・キルク礼拝堂」です。ドゥロ村にはもう一つ、世界遺産の「ナティビター・デ・ラ・マレ・デ・デウ教会」があり、こちらは村の中にあるのでアクセスしやすいのですが、サン・キルク礼拝堂は村の後ろの丘の上まで上らねばならず、いつも時間切れで諦めていました。

今まで来なかったことを後悔した絶景

山道をぐんぐん上がり、丘の上にたどり着くと、そこには想像以上の絶景が待っていました。丘の上に小さな礼拝堂がぽつんと建ち、背後には険しく雄大なピレネーのパノラマがひろがっています。他の教会は村の中の「教会iglesia」ですが、サン・キルクは「人里離れた礼拝堂、庵、僧院」を意味する「ermita」と呼ばれています。『1000年以上前に、ここでピレネーの山並みを見ながら隠遁生活を送っていた僧がいたんだなあ』と、遠い時代に思いを馳せながら、随分と長い時間、この信じられない絶景を見ていました。ピレネーのロマネスク教会の中で、こここそが外してはならない、訪れるべき場所だと思います。