世界遺産の開平のディヤオロウ群がある江門ってどんなところ?

田んぼのど真ん中に現れた洋風と中華風が混じった不思議な建築物が、開平の「碉楼(ディヤオロウ)」群です。時代がかなり新しいにも関わらず、2007年には世界文化遺産に認定されました。この「碉楼(ディヤオロウ)」とは楼閣のことです。開平は香港に近い広東省の中南部の江門市にあります。江門は元代末期から明代初期にかけて集落が形成され、17世紀になると商業地として栄えました。その後、この地の住民は海外に進出するようになり、江門は多くの華僑を排出しました。その華僑が故郷に錦を飾る時に、渡航先の国々で見た建築様式を中国に持ち込みました。それが開平の碉楼群です。

中国の世界遺産(8)中洋折衷の不思議な楼閣が見られる開平 中国の世界遺産(8)中洋折衷の不思議な楼閣が見られる開平

アジア的風景の中に突如、現れるディヤオロウの魅力

開平の碉楼群はいくつかの地域に分かれています。その中に碉楼は1833棟、残っています。この開平碉楼群を紹介する時に必ず使われるのは、錦江里碉楼群の「瑞石楼」です。典型的なアジア的風景ともいえる田んぼの中に突如、ヨーロッパ風の瑞石楼が現れます。最初はちぐはぐな感じがして慣れません。このどこかあってない感じが開平碉楼群の魅力です。瑞石楼は1925年に建設された9階建て、高さ25メートルの碉楼です。ヨーロッパのお城のように凝った装飾の上層階に比べて、下層は窓が小さく、堅固な感じがします。これは多くの碉楼に共通する特徴ですが、それにはちゃんとした理由があります。

上と下で雰囲気がガラッと変わるディヤオロウ

19世紀末から20世紀初めにかけて、碉楼の建設は最盛期を迎えます。この頃はこの付近は国家権力の及ばない地域でした。そのため、海外で成功した裕福な華僑の邸宅は、盗賊にとって、かっこうの襲撃先でした。碉楼は華僑が自分で生命や財産を守る要塞の役目をはたしていました。そのため下層部は窓も小さな要塞なような作りになっているのです。さて、碉楼群は錦江里、立園、自力村、馬降龍、赤坎などの地域に分かれています。それぞれ離れているので、1日で全部見るのは大変です。見学地域を絞ったほうが、じっくり見られます。

開平のディヤオロウ群が中国人に人気がいまひとつな訳

開平を代表するが碉楼が見られる錦江里、ヨーロッパの商店街のような街並みが残る赤坎ははずせません。赤坎の美しい街並みは香港映画やドラマのロケ地としても有名です。この開平碉楼群は、日本人にとって、とてもおもしろいところですが、実は中国では人気はいまひとつです。中国人に人気が高い旅行先と言えば、雲南省と四川省です。自然と少数民族文化の両方を楽しめ、世界遺産も充実しています。広東省と言えば、大都会のイメージも強く、黄金週や国慶節の休暇で行きところではないのでしょう。日本人にとっては開平碉楼群はゆっくり観光できる穴場なのです。