サトウキビ産業の盛衰と観光業

その1からの続きです。さて、この国の住民のほとんどは、アフリカ系黒人です。植民地時代、イギリスはここで大規模なサトウキビのプランテーション農業をしていました。先住民は死滅してしまったので、奴隷としてアフリカから多くの黒人が連れて来られました。現在の国民はその子孫です。その砂糖産業ですが、20世紀末になると他国に押され、2005年にはその生産も中止。現在のおもな産業は、「観光」となっています。セントクリストファー島とネイビス島の両島にはリゾート施設が次々と作られ、首都パセテールにはカリブ海を行く大型クルーズ船が次々と寄港するようになりました。

カリブ海の小さな島国、セントクリストファー&ネイビスを知ろう!(その2) カリブ海の小さな島国、セントクリストファー&ネイビスを知ろう!(その2)

首都パセテールはどんなところ?

さあ、ではまず観光客のほとんどが訪れるセントクリストファー島からご紹介して行きましょう。首都のパセテールの人口は約1万6000人。イギリス植民地時代の面影を残す町で、セントジョージ英国教会などの古い建物があちこちにあります。クルーズ船が着くのはパセテールベイで、その向かいにあるポートザンデには観光客向けの免税店やお土産屋が並び、寄港日になると下船した大勢の観光客でにぎわいます。クルーズ船ですが、このセントクリストファー島に寄港するのは、セント・マーチンやバルバドスに寄る7泊8日の「南カリブ海クルーズ」が多く、日本人の方もかなり利用されているようです。

この国唯一の世界遺産へ!

この島の他の見どころを紹介しましょう。最も有名なのが、1999年にユネスコの世界遺産に登録された「ブリムストーン・ヒル要塞国立公園」です。丘の上にあるこの要塞はイギリスが18世紀に建設したもので、当時、フランスやスペインなどと争奪戦を繰り広げていたカリブ地域ににらみを効かせる、イギリスとしてはカリブ最大級の要塞でした。1782年にはフランス軍に攻められ陥落しますが、のちにまたイギリスが取り戻します。しかし19世紀になると要塞の重要度も下がり、ハリケーンの直撃を受けて損害を受けたこともあり、1851年にはこの要塞は放棄されます。

2つの海を見渡せるポイント

クルーズ船で来た場合、島を巡る半日バスツアーに参加すれば必ず、この要塞の観光が含まれています。海抜250メートルの丘の上に立つと、島やカリブ海が見渡せてなかなかいい景色です。この半日観光で寄る、もうひとつの「いい景色」を紹介しましょう。「ティモシー・ヒル」と呼ばれる丘の上からは、右に大西洋、左にカリブ海という2つの海が見渡せる、島が細長くなっている部分を見下ろす絶好の展望ポイントです。(その3につづく)