南大西洋にあるイギリス領の島々

南極圏にも近い、南米から大西洋の沖合に出た所にある英領フォークランド諸島をご存知でしょうか。年配の方なら「フォークランド紛争というのが昔あったなあ」と何となく思い出されるかもしれません。日本からはまれにしかツアーが出ないので、なかなかこの島々へ行った人は少ないと思いますが、この島々にはたくさんのペンギンたちが棲息しているのです。今回は、このフォークランド諸島についてご紹介したいと思います。

地雷原がペンギン天国に! 南大西洋にあるフォークランド諸島へ行ってみよう その1 地雷原がペンギン天国に! 南大西洋にあるフォークランド諸島へ行ってみよう その1

イギリスが占領し、捕鯨基地に

フォークランド諸島は大陸から離れていたことと、寒冷な気候のため、先住民はいませんでした。16世紀の西洋人による島の発見以降、イギリスやスペイン、フランスなどが領有権を主張していましたが、場所が不便で農業に向いていなかったこともあり、植民活動は遅れます。18世紀になり、スペインから独立したアルゼンチンがようやく植民活動を始めました。しかし1833年にイギリスが実力行使で島を占領。アルゼンチンは怒りますが、そのままそれが既成事実になってしまいました。当時、フォークランド諸島は捕鯨船の基地として重要な場所になりつつありました。今では“捕鯨”で日本が世界から非難されていますが、この当時クジラは世界的な需要があり、イギリスもアメリカも捕鯨をしていたのです。

乱獲されたペンギン、そしてヒツジ天国に

当時、クジラから油を取り出すのに、熱湯が必要でした。しかし樹木がほとんどないフォークランド諸島では、その燃やす燃料がありません。そこで目をつけたのが、植民が始まるまで島に1000万羽もいたというペンギンです。あわれペンギンたちは、“燃料”として火にくべられ、急激にその数を減らして行ったといいます。しかし20世紀になると捕鯨やアザラシ漁は下火になっていき、代わりにヒツジの放牧が盛んになっていきました。フォークランド諸島は寒冷海洋性気候で、一番暑い1月の平均気温は7〜15度、寒い7月が0〜5度と適度な寒さ。雪も積もるほどは降らないので、ヒツジの放牧に適しているのです。現在、島の人口が3000人しかいないのに対し、ヒツジの数は60万頭と言われています。(その2に続く)