香港公園の片隅の小さな博物館。ご存じですか?

しばしば「都会のオアシス」と称される香港公園。サラリーマンやデートのカップル、そして観光に忙しい旅行者にとってもホッとできる、憩いの公園です。その香港公園の北の端に、ひっそり佇む白亜の西洋建築があります。これが、中国茶の茶具をテーマにした小さなミュージアム「茶具文物館」です。1846年に建てられたこの建築は、もとは「フラッグスタッフ・ハウス(イギリス連隊指揮官邸)」だったものをリノベーションしたもので、1984年にオープンしました。

背後に迫る超近代的なビルと、ナイスな対比。 背後に迫る超近代的なビルと、ナイスな対比。

歴史ある建築を見るだけでも価値あり

中国茶を飲むのも茶具を見るのも好きな上に、「香港最古の西洋建築」であり「世界初の茶具専門博物館」というこの博物館の存在にも惹かれて、私も行ってみました。華美さのない、どちらかというと清楚な印象の建築は、もともと軍隊の所有だったことが信じられない雰囲気です。この佇まいは繊細な味と香りと時間を楽しむ「茶藝(中国茶の喫茶方法)」にふさわしい空間です。入り口を入ってすぐにふりかえると、控えめなデザインのシャンデリアとアーチ型のドア上部の装飾がとても愛らしくて、まるでどなたかの邸宅に遊びに来たような気分にもなります。

香港旅行中、何度も目にするあのチェーンの創業者が…!

ここの展示品は、香港のファーストフードチェーン「大家楽」や「大快活」を創業した羅桂祥氏のコレクションを集めています。さすが大富豪のコレクションだけあって、古代から現代に至るまでの超一級品が飾られているのです。羅氏は、自分の貴重なコレクションを政府に寄贈したとのことです。大富豪はやることもスケールが大きいですね。しかもショップ以外の展示室は、フラッシュを使わなければ撮影自由、そして入場無料です!

館内ビデオは必見です

私も夢中で写真を撮り、エンドレスに流れているビデオを飽きもせずいつまでも眺めていました。個人的には、新しくて現代的なデザインの茶具より、やはり1000年以上の年月を美しい状態のままで残ってきた昔の茶具の方に、感銘を受けました。中国茶という枠を超えて、人類共通の宝物だと思いました。そして、ビデオで流れるお茶の先生による茶藝のデモンストレーションは、時に優美でもあり、時に日本的な美意識とちがう動きもあって、時間の経つのを忘れるおもしろさ。この他、お茶の葉を収穫してから製品になるまでのビデオもあります。貴重な茶具に取り囲まれながらそれらの映像を見るのは、慌ただしくなりがちな香港旅行の中でもすてきなブレイクになることでしょう。香港公園の散策も含め、都会の真ん中でゆったりしたひとときを過ごしませんか。