静かに佇む建築群。そのもともとの姿とは?

さて、このセンターは、建築そのものがユニークでドラマチック! 香港やアジア各国でしばしば行われている、「歴史的建造物をリノベーションし、別の役割を持たせて継承する」方式の建築なのです。この建物は、もとはイギリス軍の弾薬庫でした。この場所で、火薬を製造・保管していたのです。往時の建築の雰囲気をできるだけ留めつつ、きれいに改築された弾薬庫跡。これらをギャラリーや劇場として使用しているのです。アート好きのみならず、香港とイギリスの歴史の一端に触れられる場所でもあるのですね。

センターは、こんなに深い緑に覆われています センターは、こんなに深い緑に覆われています

まずは本部棟でビデオを見て、学習しましょう!

もとイギリス軍の弾薬庫をリノベーションしたアジア・ソサエティー・香港センターですが、事務所などのある本部は新築の建物です。ここで受付をしますが、館内の入場は無料! ただし、展覧会期間中は別途料金がかかります。この本部でまずは一呼吸おいて、ビデオを見ましょう。アジア・ソサエティーの成り立ちや、この建物の解説をしています。かつての弾薬庫時代の写真が映り、その面影を残しつつきれいに塗り直された現在の建築の姿を重ねて映します。その移り変わりは感動的です。ここでしっかりと事前学習ができたら、さあ、外に出てみましょう。

不思議な「2階建て」の橋。この時間も楽しんで

本部棟を出ると、空中にかけられた橋を渡って弾薬庫跡の棟へ移っていきます。この橋はなぜか「2階建て」になっています。2階建てといっても上の橋と下の橋は完全に同じ道筋なので、まるで上の橋は下の橋の屋根のようです。この橋は弾薬庫跡の建築群へまっすぐ向かわず、いったん遠ざかり、また鋭角的に曲がって弾薬庫の方へ直進するような、奇妙な形に作られています。この空中の橋がかけられているのは、山の中です。訪問者が俗世を離れアートの懐へ入っていくために、まずは周囲の緑を楽しみ、つかの間、迷路の気分を味わってほしいという意図でしょうか? 私は、不思議な橋の道筋をそんなふうに感じました。(その3に続く)