弾薬庫だったことを、そこここで思い出します

弾薬庫だった建築は、それぞれがこぢんまりとしていて、静謐ささえ感じます。アートイベントがあればにぎやかになるのでしょうが、建物探訪を目的として訪れるなら、この静けさはむしろ散策にうってつけです。けれども足元を見れば、劇場に改装されている建物には、弾薬を運ぶためのトロッコの引き込み線がわざと残されています。また、海軍の敷地であることを示す境界標識の石柱がさりげなく並べられていたりします。2階建ての橋や、各所に置かれた現代アートだけを見ていると、アートスポットにしか感じられませんが、こういうちょっとした「仕掛け」により、建物が持つ過去の記憶に引き戻されるのです。

こんな「過去の遺物」も中に入って見学できます こんな「過去の遺物」も中に入って見学できます

平和な時代、アートを享受できる喜びを感じます!

人を殺傷する能力を備えた恐ろしいモノが、ここに大量に納められていたのに、今は文化・芸術の振興というまったく新たな役目を担って生まれ変わる。それも昔の姿を消し去るのではなく、「時間の流れ」や「軍隊×アート」という対比をあえて際立たせるようにして…。いかにも香港らしい、バランス感覚のある表現だと思いませんか。今回は建築目当てだったので、エキシビジョンやイベントは一切見ませんでしたが、アートの観覧という目的がなくても、十分に訪れる価値のある場所です。

そしてここでもやっぱり「食の都」は健在!

このセンターのもう一つの大きな呼び物は、レストラン「AMMO(アモー)」です。決してアクセス至便とはいえない、こんな隠れ家的なところに、この上なくスタイリッシュでロマンティックなレストランがあるとは、やはり「食の都」香港の面目躍如。アジアと地中海料理を提供しています。店名のAMMOとは「Asia」「Modern」「Museum」「Original」からとった造語だそうですよ。店名まで洒落ていますね。大人気のお店ですから、予約をおすすめします。建築群の見学だけ、もしくはレストランだけの利用でもいいですが、できれば時間をたっぷりとって、両方を楽しみましょう! 確実に、「今の香港」の一部に触れることができるはずです。