パン・アメリカン・ハイウエイを走ってみませんか

パン・アメリカン・ハイウェイは、南北アメリカ大陸をつなぐ全長4万8000キロの道路です。この道が幹のように貫いており、そこから枝が分かれるように、町々を結ぶ道が広がっています。ですから、南北の移動に関しては、中南米ではバスがいいでしょう。なかでも中米では、各国の面積がさほど広くなく、国際バスもガンガン行き交っています。メキシコ、グアテマラ、サルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマの各国では、各都市間を結ぶバスが出ています。しかもさすがはパン・アメリカン・ハイウェイ、道がいい。グアテマラなど、かなりの山道でもアップダウンと緩やかなカーブを繰り返しつつも、実にスムーズに走ってくれます。それは快適なバスの旅が楽しめるです。

格安一人でも恐くない? 長距離バスの不思議な乗り換え(前編) 格安一人でも恐くない? 長距離バスの不思議な乗り換え(前編)

よくわからないまま、乗り換えの指示が……。

そして目的地が、このパン・アメリカン・ハイウェイからの枝道にある場合、その分岐で乗っていたバスから降ろされてしまうことがあります。そんな時、旅行者たちは降ろされたガソリンスタンドで、ジュースやポテトチップスを買ったりしながら、よく「大丈夫だろうか」と仲間同士でヒソヒソ話し合っています。僕はメキシコのサンクリストバル・デ・ラスカサスを早朝に出発、昼過ぎに国境を越え、グアテマラにある風光明媚なアティトラン湖畔の町サン・ベドロ・ラ・ラグーナを目指していました。国境でバスを乗り換え、ここでまた二度目の乗り換えです。

Kさんはどこに連れていかれてしまったのか?

すると、数日前に会った日本人女性のKさんが、この分岐にあるガソリンスタンドの植え込みに腰を下ろしているではないですか。彼女は別のバスから一人だけ降ろされて、「不安だよー」と擦り寄ってきました。しばらくして気がつくと、タクシーの運転手が、外国人旅行者の名前を呼びながら、歩き回っています。その名前は、なんとKさん……。「エーン! タクシーなんて頼んでないよ」、「いいから、いいから。こっちよ」。まるで拉致でもされるように、Kさんは一人タクシーで去って行ったのです(後編に続く)。