旅のベテラン女性のアドバイスは

「あと、持ち物で忘れたらいけないのは婚約指輪よ!」彼女にそう言われて、意味がわかりませんでした。学生時代、初めてインド・パキスタン・ネパールを、旅のベテランの友人と回ることにしたときの注意です。「旅行中、左手の薬指に嵌めておくのよ。男除けにね。結婚していると言うと細かいことを聞かれたときに面倒だから、指輪を見せながら“婚約中”と言うのよ。」

女性の一人旅には必需品?「婚約指輪」 女性の一人旅には必需品?「婚約指輪」

まさにウソも方便

婚約はおろか恋人すらおぼつかないのに、左手の薬指に指輪をするのは女の子として抵抗があるな……第一、そんなモノひとつで、海外で人気だといわれる日本人女性にアタックしてくる男性が引っ込んでくれるのかしら。私は戸惑いました。しかし「夫も恋人もいない独身の女性が一人二人でインドあたりをぶらぶらしているということ自体が、彼らにとっては想像の範囲外。つまり何をしてもかまわない女性だと見なされがち。そう見られないためには、彼らに深く根付いた“結婚を神聖視する貞操観念”に期待するしかないの。」と言われ、ようやく納得して、母からもらった安物のファッションリングをずっと嵌めて旅しました。

いつしか一人旅の必需品に

私の予想以上に、効果は絶大でした。旅先の男性たちは本当に猛攻を仕掛けてきたし、そのたびに指輪を見せて「婚約してるの」と言うとあきらめてくれました。言葉だけで「婚約してるの」と言うよりも、指輪とセットにして言うことで信憑性が高まるのです。その初めての長期旅行以来、いろいろな国へ一人旅をしましたが、必ず左手の薬指に指輪をして行きました。もちろん、婚約中もしくは既婚者である印の指輪が完全に男性を撃退できるわけではありません。私の経験でも、シリアのダマスカスのタクシー運転手がまったく動じることなく“ナンパ”を続行してきたことがあります。それでも、指輪を嵌めて「婚約中なの」と言う一言が、私の自由な旅を大きくサポートしてくれることは実感してきました。

“婚約指輪”がお守り代わり

女性の一人旅もしくは少人数の旅は、やはり少しでも無用なトラブルを減らしたいものですよね。外国で男性にモテることと、しつこく言い寄られることは別物。勘違いしたしつこい男性のせいで旅行全部が嫌な思い出になってしまっては、旅の意味がありません。一般的に贈られる“婚約指輪”は、高価なものです。もし本当にあなたが婚約中だとしても、そんなものを身に付けて旅行していてはかえって別の意味で危険ですから、ホンモノを嵌める必要はありません。既婚女性は結婚指輪でいいし、独身女性や結婚指輪を持っていない人は、ごくシンプルなデザインの指輪でいいのです。とにかく、“決まった男性がいる”と知らせることが第一目的です。お守りの代わりに、女性旅行者は是非“婚約指輪(のようなもの)”を!