風任せの旅というつもりはなくてもままならない……

旅行中のスケジュールを立てるのは、胸躍ることですよね。私はいつも「あそこへ行ってみたい」「できればここも行きたい」と、つい欲張って盛りだくさんのスケジュールを立ててしまいます。公共交通機関のしっかりした国なら、かなりタイトに予定を詰め込んでも計画通りに進むことが多いのですが、どんどん当初の予定から外れていってしまう旅もあるものです。放浪型旅行ではなくてちゃんと計画を立てたのに、終わってみればまるでちがう旅になっていた……という経験の最たるものは、私の場合、インドで起きました。目的地はラダックでした。インドの中のチベット世界をのんびりまわる計画です。高山病が心配だったので、いきなり空路でラダック中心地のレーまで飛ばず、まず途中のマナリというところまで空路、その先はバスで一泊二日かけてゆっくり高度順応をしていくという、我ながらしっかりしたスケジュールを立てました。

自由旅行はスケジュールがコロコロ変わって当たり前。インドヒマラヤ旅行の例(前編) 自由旅行はスケジュールがコロコロ変わって当たり前。インドヒマラヤ旅行の例(前編)

フライトキャンセル、そして夜通しタクシーの強行軍へ

インディラ・ガンディー国際空港へ早朝に行ってみると、「マナリ行きは濃霧のため遅延」。朝から昼過ぎまで待たされたあげく(空港内の食堂で使えるミールクーポンももらってお昼に食べましたが)、結局その日はフライトキャンセルに!夏のこのフライトは濃霧でしばしば欠航すると聞いていましたが、まさか自分の乗る便がそうなるとは思っていませんでした。急遽タクシーで行くことに変更し、昼過ぎにデリーを出て、一晩中、夜通しかけて走り続けました。その15時間の道中では、タクシードライバーと一晩過ごす緊張と、真の闇の中を走る山道の恐ろしさで一睡もできませんでした。夜明け前、へとへとでマナリに到着。今度こそ軌道修正とばかりにラダック行きバスツアーに申し込みました。翌日は順調にバスはスタートし、その日は予定通りにキャンプ地に到着できました。

なんとまたも行く手を阻まれ、立ち往生に

ところが、次のトラブルが発生!二日目に出発して山道をしばらく進むと、ラダック方面から次々と車が戻ってくるのです。私の乗ったバスの運転手が、バスを停めて戻ってくる車の運転手から話を聞きました。「この先で大きな落石があり、道路が完全に壊れてしまっている。崩れた道路を歩いて通るなら向こうへ行けるが、車は無理」とのこと。バスに乗っていた満員の乗客たちは、たちまち大騒ぎとなりました。欧米人の旅行者たちの言い分は「とにかくその落石現場までバスを走らせて連れて行け。その先は、自力で歩いて渡っていく」。インド人の乗客は「高山病になりかけている年寄りがいるんだ。バスに乗せてどこかの街まで引き返せ」。欧米人旅行者とインド人ファミリー、我が強い者同士で一歩も引かず、道端で鼻をくっつけるようにして延々と言い争いを続けています。おとなしい日本人旅行者はどうしたらいいのでしょう……?(後編に続く)