「土産物店へ立ち寄ります」と言われたら、どうしますか

若いころの私だったら、ひょっとすると「そんなの書いてなかったじゃない。まっすぐ帰って!」と怒ったかもしれません。でも今はオトナなので、「じゃあお土産を見るから、そのあと別のお店にも寄ってくれる? そこで降ろしてくれれば、あとは自分で帰れるから今日はもういいですよ」と承諾しました。よくクレームこそ命とばかりに旅行会社やホテルに文句をつける人がいますが、旅行中につまらないことで怒るのは消耗しますよね。中級品がひととおりそろった土産物店でTシャツを買い、外で待っていたガイドさんに「買ったよ。これでガイドさんもノルマを果たせたね。」とビニール袋を見せると、「気を遣ってもらってどうもすいません。ありがとうございます」。ガイドさんは照れくさそうににやにやしました。

人によってピックアップ付きツアーに期待するポイントはちがうものです(後編) 人によってピックアップ付きツアーに期待するポイントはちがうものです(後編)

人によって、受ける印象はさまざまなもの

このバリ島のガイドさんについて、あなたはどういう印象を持ちましたか。私は、この覇気のないガイドさんにはけっこう好感を持ちました。日本人的奥ゆかしさというか、ガツガツ商売して少しでもお金を出させようという気のないところがよかったのです。でもそれは私がある程度旅慣れた人間だからかもしれません。人によっては「空港での出迎えのとき名札も掲げていないから不安だった」「もっと積極的に現地情報など教えてほしかった」「土産物店へ連れて行かれた」などと、怒ってしまう人もいることでしょう。人によって、現地係員に期待するポイントはちがうのです。

シンガポールでは別の魅力を持つガイドさんと出会う

このあと、シンガポールでは空港の送迎に二人のガイドさんと会いましたが、バリ島のガイドさんとは対照的な、茶目っ気たっぷりの、おしゃべりで商売熱心な人たちでした。運転しながらひっきりなしに観光ガイドもしてくれて、ついでに「定価より少し安く買えるチケットを持っているから買うか」と持ちかけてきたりしましたが、私にとってはこれも不快ではなく楽しい時間になりました。彼らの、お客を楽しませようとする話術がおもしろかったのです。

ガイドさんに任せきりで文句を言うより、「共に楽しもう」という姿勢で!

ツアーで楽しく旅をするには、「細かいことに目くじらを立てるよりも、現地係員の個性に自分を合わせて丸ごと楽しんでしまった方が得」です。どんな人に当たるかはそのときの運次第。現地係員は、自分が初めて会うその国の“代表者”です。飛行機を降り、空港出口から一歩外に出たとき、ピックアップにその人が現れた瞬間から、ちょっと大げさですが「いい旅を共に作ろう」と心得てください。