オーロラっていったい何?

夜空にかかる天空のカーテン、オーロラ。これは太陽から出る「太陽風」と呼ばれるプラズマが、地球の磁場に引き寄せられ、極地で大気圏に突入して大気の原子とぶつかって起こる発光現象です。つまり、町のネオンや家の蛍光灯と同じように、放電によって光るのです。オーロラが発生するのは、はるか上空の大気圏外なので、空が晴れていないと見えないのは、そのためです。
いつ、どこで見られるの?

オーロラが見られるのは極地ですが、北極点周辺よりその周りを囲む、北緯65〜70度の周辺地域のほうがよく見えます。この帯状になったエリアを「オーロラベルト」と呼びます。このベルト内では季節には関係なくオーロラが発生しますが、夏は白夜など日が長いので、観察には不向き。そこで、8月末から翌4月末ぐらいまでが、おもなオーロラ観光のシーズンになります。
どうやって鑑賞するの?

オーロラ自体は一年中発生していますが、天気がよく、周囲が暗く、また広々と見通しの良い場所という条件が必要です。そのためオーロラ観賞ツアーでは、町なかに滞在して夜に光の少ない郊外に出るパターンと、最初から郊外に宿泊するパターンがあります。できれば明るい満月の夜ではなく、暗い新月の日がツアー日程に入っているといいでしょう。事前にオーロラ予報サイトなどでチェックしておくのもいいかもしれません。
準備するものは? 服装や持ち物

オーロラが現れるのは、夜はマイナス20度以下になることもある北極圏。そこでじっと待つので、とにかく防寒対策が必要です。帽子、マフラー、手袋は必携。手袋は雪で濡れるので耐水性のあるものを。上着はロングのダウンタイプがベター。靴下は厚いものを選ぶので、ブーツも大きめのものがいいです。昼間は雪がまぶしいので、サングラスも必要です。ツアーによっては、レンタルがあるので利用してみましょう。現地購入も可。
オーロラはどこの国で見るのがいいの?国別にオーロラを見る時に気になるポイントをまとめました。
カナダ | アラスカ | フィンランド | スウエーデン | ノルウェー | アイスランド | |
観光シーズン | 11月中旬〜4月上旬 8月中旬から9月下旬 | 11月中旬〜4月上旬 8月中旬から9月下旬 | 11月〜4月 | 9月〜4月 | 11月〜4月 | 9月〜4月 |
平均気温 | 冬の場合マイナス27度〜マイナス5.3度 | マイナス23度〜マイナス5度 | マイナス5度〜プラス3度 | マイナス14度〜零度 | マイナス4度〜プラス1度 | マイナス2度〜プラス4度 |
見られる都市 | イエローナイフ、ホワイトホース | フェアバンクス、チェナ | ロバニエミ、サーリセルカ、レヴィ | キルナ | トロムソ | レイキャビク |
特徴 | オーロラ観賞率が高いと評判。ただし観察時刻が22時〜翌2時と遅いことと、非常に寒いのが難。夏にも短いが見られる時期がある。 | オーロラ観賞率が高いと評判だが、観察時刻が22時〜翌2時と遅いことと、非常に寒いのが難。町に滞在して夜に出かけるか、郊外のロッジに宿泊して観察。夏にも短いが見られる時期がある。 | オーロラの出現時間帯は20〜23時と早め。ロバニエミではサンタクロース村と合わせて楽しめる。小さな町でのお買い物も楽しみだ。 | オーロラの出現時間帯が20〜23時と早め。昼は犬ぞりなどのアトラクションが楽しめる | オーロラの出現時間帯が20〜23時と早め。船から見るオーロラクルーズなどもある。昼はフィヨルド観賞なども可能。 | 「氷と火山の島」と呼ばれる、ダイナミックな自然も楽しめ、観光資源も豊富。海流の影響で、気温も比較的高い。オーロラの出現時間帯が20〜23時と早め。 |
一眼レフカメラで撮影するコツ
- 三脚を使おう
- オーロラをきれいに撮りたいなら、明るいレンズに交換できる一眼レフカメラが圧倒的に有利。レンズは広角でF2.8以下がベター。その際、手ぶれを防ぐため、かならず三脚を使用すること。ピントは昼間、無限大に合わせてズレないように、テープで止めておくといい。
- 替えのバッテリーを忘れずに
- 時にはマイナス20度にもなる屋外では、バッテリーの減りがとても早い。カメラは三脚に付けておくが、オーロラが出るまでは外しておいて、予備バッテリーなど共に内ポケットなどで温めておこう。ホッカイロがあると便利。

コンパクトカメラ/スマートフォンのカメラで撮るコツ
- ISO感度の変更とマニュアルフォーカスができるものに
- 一眼レフカメラに比べるとレンズが小さいので、ISO感度を変更して感度を上げよう。1600以上あるといいが、ノイズも増えるので三脚に取り付けて長めに露光する。オーロラ撮影の失敗はピンボケが多いので、必ずマニュアルフォーカスに変更しておくとこ。星や月が出ていればそれに固定する。「星空モード」があればそれを使う。
- スマートフォンで撮影の場合は
- スマホでも三脚など固定できるものがあれば、固定する。失敗しないように、事前に「夜景アプリ」など、シャッタースピード長めに設定できるアプリを入れて、撮影の練習をしておくといい。また、バッテリーがすぐ減るので、モバイルバッテリーも用意しておこう。

撮影に使ったカメラやスマホを、暖かい室内に持ち込むとあっという間に結露して、カメラ本体やレンズに瞬時に水滴がついてしまう。外でジップロックなどに入れて、時間を置いてから取り出すように。